悪魔の吐きだめ

映画とかドラマとかのことを書いてます。

ドラマ

2022年 ドラマベスト10

毎年恒例のTVドラマの個人的ベスト10本について。コロナが落ち着きはじめ、撮影も以前と同じような体制で作れるようになったためか(といってもまだまだ大変だとは思うが)去年よりも面白いドラマが多かった2022年。また、今年は「ベター・コール・ソウル」…

「THIS IS US」ファイナルシーズンを終えて

6年間続いた「THIS IS US/ディス・イズ・アス」が遂に完結した。邦題にはサブタイトルに「36歳、これから」と付いているが、1シーズンで1年間が描かれるので、36歳だった主人公たちの年齢もファイナルシーズンには42歳になっていた。 なんで後先を考えずにこ…

それでもやっぱりTVが好き!「リブート」

" data-en-clipboard="true">昨今の映画もテレビドラマも“リブート”作品が多い。“リブート”というのは、過去にヒットした作品を新たな構成やキャストで作り直すことを指す。リメイクとは何が違うの?と言うと、映画「ジェイ&サイレント・ボブ リブートを阻止…

シングルマザーの奮闘に人生を見る「ベター・シングス」

年に何本もドラマを観ていると、その時は面白いなぁと思いながら、終わってしまえば記憶にあまり残らないような作品も多かったりする。実際そういった即物的な楽しさこそTVドラマの良さでもあるから、一概にそれが良い悪いという訳ではないけれど、やっぱり…

2022年エミー賞受賞結果

2022年のアメリカTVドラマの祭典エミー賞が終了した。こうして今年のドラマの顔が決まった訳だが、蓋を開ければ予想通りの受賞作もある一方で、疑問に思うような受賞も。予想と受賞結果とあわせて今年の感想について書きたい。 ----------------------------…

2022年エミー賞受賞予想

毎年恒例となっている、アメリカTVドラマの祭典エミー賞について、今年の各主要部門の受賞を主観、下馬評から予想してみた。 ●ドラマ部門 【作品賞】 予想:サクセッション昨年は「ん?」と思うようなノミネートが多かったが、今年は納得のノミネート揃いと…

もうすぐ終わりを迎える「ベター・コール・ソウル」について

つくづくとんでもないドラマシリーズだなと思ってしまう。今回のシーズン6での幕切れが発表された「ベター・コール・ソウル」も残すところ1エピソードとなった。 (以降ドラマの核心について触れています) 終盤でサスペンスフルな展開を見せたラロとの闘い…

2021年 ドラマベスト10

毎年恒例の今年のドラマランキング個人ベスト10について。 10位「メア・オブ・イーストタウン」(HBO) ケイト・ウィンスレット主演の骨太ミステリー。小さな田舎町を舞台にした狭いコミュニティ内で顔見知りであるが故の疑心暗鬼となる人間ドラマの重厚さが…

2021年エミー賞受賞結果

珍しく多くの予想が当たった今年のエミー賞。サプライズは少なかったが、コロナ禍でアットホームな雰囲気の授賞式が良かった。やっぱりエミーはオスカーよりも敷居が低く観ていて楽しい。以下受賞結果について。 ●ドラマ部門 ・作品賞 予想 ザ・クラウン 受…

2021年エミー賞予想

いよいよ明日に迫った第73回エミー賞について毎年恒例の受賞予想。 ●ドラマ部門 作品賞は「ザ・クラウン」と予想。今回がシーズン4にあたる今作だが、ドラマとして純粋にめちゃくちゃ面白かったという点で推したい。「ザ・ボーイズ」、「マンダロリアン」、…

2020年 ドラマベスト10

毎年恒例の今年観たTVドラマのベスト10の個人ランキング。 第10位「ミッドナイト・ゴスペル」(Netflix) 「アドベンチャータイム」のペンデルトン・ウォードが仕掛けたサイケデリック瞑想アニメ。劇中で描かれるサイケデリックなアニメと極彩色の世界観とは…

第72回エミー賞のノミネートについての雑記

今年の第72回エミー賞のノミネートが発表されたので、それについての雑記。 ●作品賞Outstanding Comedy SeriesCurb Your Enthusiasm • HBO Dead To Me • Netflix The Good Place • NBC Insecure • HBOThe Kominsky Method • NetflixThe Marvelous Mrs. Maise…

恋愛と依存についての自伝的コメディドラマ「フィール・グッド」

今年Netflixでスタートした「フィール・グッド」を鑑賞。近年でもかなりピュアでシンプルなラブストーリーだった。 アメリカのドラマには、「スタンダップコメディアン自らの悲喜交交の体験談をドラマにしました。」というジャンルがある。ジェリー・サイン…

Amazonが放つデジタルネタ満載のコメディドラマ「アップロード」

5月から配信がスタートしたAmazonのオリジナルドラマシリーズ「アップロード〜デジタルなあの世へようこそ」。副題からもわかるようにデジタル化された“あの世”を舞台としたコメディドラマである。 物語は、死んだ人々の記憶をデジタル化してクラウド上にア…

サプライズの連続!第71回エミー賞を終えて

今年のエミー賞はサプライズの連続だった。 まず、一つめのサプライズにして一番の驚きだったのはジュリア・ルイス=ドレイファスがコメディ部門主演女優賞を逃したことだ。6年連続同役で受賞を果たしていたドレイファスはファイナルシーズンである今年も間…

第71回(2019年)エミー賞ノミネートと受賞予想

先週、第71回エミー賞のノミネートが発表された。最多は「ゲーム・オブ・スローンズ」が32部門のノミネート。賛否ありながらも王者の貫禄を見せつける結果となった。ただ強豪も多いことから簡単に受賞もできないのでは。というわけで各部門毎に予想していき…

6月に観たもの・読んだもの

ちょっと遅くなったけど6月に観たもの、読んだものについて。まず個人的に6月はイベント的なトピックがいくつかあって、一つはサザンのライブだった。奇跡的に40周年ライブツアーの最終日のチケットが取れて、それも久々のライブだったから楽しみで、行って…

5月に観たもの・読んだもの

4月に「アベンジャーズ」、5月に「ゲーム・オブ・スローンズ」というゼロ年代を代表する二大エンターテイメント作品が終わり、まさに盆と正月が一緒に来たってこのことだなと思った。GoTの感想についての記事は以下に書いた。 ただ、終えて今思うのは、あま…

長い戦いを終えて〜「ゲーム・オブ・スローンズ」は一体何がスゴかったのか

「ゲーム・オブ・スローンズ」が終わった。世界中が固唾をのんで見守り続けた玉座を巡る争いを描いた「TVドラマ」が終わったのだ。「アベンジャーズ」と並んで熱狂的なファンダム(熱心なファンで作り上げられた文化)を持つこのドラマシリーズは一体何が凄…

「After Life/アフター・ライフ」リッキー・ジャーヴェイスが描く人生の悲哀とアイロニー

まず、リッキー・ジャーヴェイスという名前を聞いて、かつてのゴールデングローブ賞の授賞式の司会を思い出す人も多いかもしれない。当時興行的にも失敗し評価もイマイチだったサスペンス映画「ツーリスト」がなんとコメディ部門にノミネートされてしまった…

2018年 海外ドラマベスト10

2018年のドラマベスト10本について。 今年日本で初配信(放送)されたものに絞っています。 第10位「Atypical(ユニークライフ)」シーズン2(Netflix) ベストエピソード ep.1 Juiced! 自閉症を抱える主人公のサムとその家族を描いた今作。何よりもサムを演…

「ペンタゴン・ペーパーズ」とスピルバーグのTV界への恨み節

先日日本で公開となったスティーヴン・スピルバーグ監督の新作「ペンタゴン・ペーパーズ」(原題: The Post)。ベトナム戦争時代の政府の隠蔽文書とそれを世間に公表しようとする新聞社を描いたこの映画はスピルバーグのフィルモグラフィーの中では比較的地…

“Sorry about your life !” 「痛み」に寄り添うオージー産傑作ゲイドラマ『プリーズ・ライク・ミー』の魅力とは

「海外ドラマ」と言うと、どうしてもアメリカ産ドラマをイメージしてしまいがちだし、実際アメリカからは毎年どんどん面白いドラマが発信されているのも事実。しかし、そんなアメリカンドラマに引けを取らない傑作が、オーストラリアから誕生した。それが「…

2016年 海外ドラマベスト10

昨年以上に作品数が豊富だった2016年。去年は15本程度だったが、今年はその倍以上の作品を観ることができた。その中から今年のベスト10本を選出した。 10位「ワン・ミシシッピ 」(シーズン1) Amazonオリジナルシリーズ。スタンダップコメディアンのティグ…

プレイリストで振り返る2016年の映画とドラマ

2016年に観た映画とドラマの中で流れて印象的だった曲(僕がプレイリストでヘビロテしていた10曲)とともに、それぞれの作品を振り返りたいと思います。 Good Girls / Elle King (個人的に)今年一番の重要作の『ゴーストバスターズ』から。エンドロールま…

『ブレイキング・バッド』と『逆噴射家族』について~ブレイキング・バッドが影響を受けた日本映画

前回『ブレイキング・バッド』のシーズン2について書いた中で触れた傑作エピソード第10話「Over」と、製作側が(恐らく)影響を受けていると思われる日本映画『逆噴射家族』ついて書きたいと思います。以下ネタバレあり。 第9話「4 Days Out」のラストで、ウ…

第68回エミー賞受賞作についての雑記

今日行われた第68回エミー賞の授賞式の感想について。今年は番狂わせも多く、そんな意味でも楽しい授賞式でした。 今回の各主要部門の受賞結果は以下の通り。 【ドラマシリーズ部門】〈作品賞〉「ゲーム・オブ・スローンズ」〈主演男優賞〉ラミ・マレック 「…

第68回エミー賞ノミネートについての雑記

今年エミー賞ノミネートについて予想しました。未見のドラマ、エピソード等は排してるのでかなり偏った予想です。 【ドラマ部門】 〈作品賞〉 The Americans (FX)Better Call Saul(AMC)Downton Abbey(PBS)Game of Thrones(HBO)Homeland(Showtime)House of Ca…

『ブレイキング・バッド』シーズン2とバタフライ効果

「バタフライ効果」をご存知だろうか。「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起きる」という話からその名が付いた現象のことで、関係ないと思われるような初期の小さな要因が、将来の結果に大きな影響を及ぼすことを表している。そんな些細な事柄によ…

ぶっ飛んだファミリードラマ『Weeds〜ママの秘密』が最高に面白いワケ

遂にNetflixに「Weeds〜ママの秘密」が来た。21世紀最高傑作のテレビドラマは「ブレイキング・バッド」だと思ってるが、個人的な好き度で言えば圧倒的にコッチ、「Weeds」だ。主人公は、夫を突然亡くした主婦ナンシー・ボトウィン。中流階級が集まる架空のカ…