悪魔の吐きだめ

映画とかドラマとかのことを書いてます。

2022年 ドラマベスト10

毎年恒例のTVドラマの個人的ベスト10本について。
コロナが落ち着きはじめ、撮影も以前と同じような体制で作れるようになったためか(といってもまだまだ大変だとは思うが)去年よりも面白いドラマが多かった2022年。
また、今年は「ベター・コール・ソウル」や「THIS IS US」、「アトランタ」といった長年続いていた人気作品の多くが終了。「有終の美を飾る」という言葉が相応しいぐらいに、いずれの作品も素晴らしいフィナーレだったように思う。
そんな終わるドラマもある一方で、今年スタートした作品も秀作揃い。寂しい気持ちもありながらも、楽しみも尽きない一年だった。

 

10. サムバディ・サムウェア(HBO)
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姉を亡くした主人公を取り巻く家族や友人を描くドラマ。
一見重く思える話だが、単なる御涙頂戴な話に持っていかない軽快さと、さりげなく主人公が励まされる様子がすごくいい。
誰かがどこかに(Somebody Somewhere)居てあげるということがどれほど元気づけられることかということが分かる。

 

9. ハートストッパー(Netflix
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イギリスの男子高校生同士の恋愛を描いたコメディ。
こんなにも瑞々しくもピュアな恋愛ドラマは久々。学園ドラマらしい葛藤や衝突はあるものの、描かれる世界やキャラクターたちには優しさが溢れていて心地よい。
端役ではあるが母親役のオリヴィア・コールマンの存在も抜群で、この理解ある世界の芯となっているのは間違いない。
時折挟まれる風に舞う落ち葉のアニメーションも良い。

 

8. 一流シェフのファミリーレストラン(FX/Hulu)
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亡き兄が営むレストランにシェフ兼経営者として戻ることになった主人公が、従業員たちと衝突しながら店を経営していくコメディ。
厨房の戦争のようなやり取り(圧巻の1話丸々ワンカットのエピソードなど)も見どころだが、彼らのバックボーンについて敢えて詳細を語らない演出も秀逸。
主人公演じるジェレミー・アレン・ホワイトは「シェイムレス」の長男のイメージが強かったが、今作でもさまざまなトラブルに振り回される役回りが本当に似合う。頭を抱える演技一つとっても最高。
このドラマに問題があるとすればこのヘンテコな邦題だけだ。

 

7. ホワイト・ロータス シーズン2(HBO)
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リゾートホテルを訪れた人々に降りかかる悲劇を描いたトラジックコメディの群像劇。ハワイを舞台にした前作から一転してイタリアのシチリアを舞台に愛欲まみれる悲喜交々、台詞の応酬が毎話めちゃくちゃ楽しい。セックスをテーマにしてることもあり、リアリティショウのような下世話さも良い。そして何よりMVPは今回も数々のネットmemeを残したジェニファー・クーリッジだろう。

 

6. バッド・シスターズ(Apple TV+)
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義理の兄の殺人の疑いをかけられる5人姉妹についてフラッシュバックとともに事件の全貌が明らかになっていく物語は、プロットだけ見ると「ビッグ・リトル・ライズ」に似ているように思えるが、実際には今作の方が遥かに笑える。
被害者となる義兄の肉たらしらと、彼をなんとかして殺そうとするも毎回とんでもないミスで失敗に終わる展開は、いつか死ぬと分かっていながらハラハラしつつ毎回爆笑するほど面白い。

 

5. イエロージャケッツ(Showtime)
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25年前の飛行機事故から生還した女子サッカー部の4人が、大人になった現在で過去に翻弄されるサスペンス。今年一番夢中になったドラマで、次々に明らかになる衝撃の事実とまさかの展開・ツイストの連続、メラニー・リンスキーはじめベテラン勢のコミカルな掛け合いと全ての点においてめちゃくちゃ面白かった。

 

4. アトランタ シーズン4(FX)
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ここから上位は全てファイナルシーズンのドラマである。
ドナルド・グローバーの描く黒人版世にも奇妙な物語ともいうべきアメリカ南部奇譚。
前季は気を衒い過ぎていたが、今回は初期の頃の面白さを取り戻したように思う。(前回の評判を分かってか1話目のタイトルが“Most Atlanta”なのも皮肉が効いてる。)
特に第8話のディズニーのCEOに黒人がいた!というトンデモネタをドキュメンタリー番組風にした回は、あらゆる意味でこのドラマの到達点に違いない。ビターでホラーな最終話も素晴らしかった。


3. THIS IS US シーズン6(NBC
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ついに完結したネットワークドラマ最期の砦。前季で流石にネタが尽きたように思えたが、終わりに向かう物語は全てのキャラクターに目配せし、全ての人物に人生があることを描いた。後半のエピソードはほぼ全て号泣必至。これを超えるファミリードラマは今後生まれるのだろうか?
詳しい感想は以下より。

akudame.hateblo.jp

 

2. ベター・シングス シーズン5(FX)
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シングルマザーと3人の娘たちの日々を描いた今作も遂に完結した。母の元を離れていく娘たちに人生を振り返るパメラ・アドロンの哀愁は彼女以外出せないだろう。人が死ぬ迄の一生の中で、いつか思い出すであろう何気なくも大切な一瞬、その刹那がこのドラマには詰まっている。
詳しい感想は以下より。

akudame.hateblo.jp

 

1. ベター・コール・ソウル シーズン6(AMC)
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ブレイキング・バッド」にソウルがはじめて登場した時に、まさかこんな結末が彼に用意されていようとは誰も思わなかったに違いない。ヒリつくような前半のサスペンスから一転し、贖罪とそして“どう生きるか”を問う物語へと変貌を遂げたとき、もう一人の“ウォルター・ホワイト”が生まれる。最高の脚本と演出、演技による途轍もない面白さの奇跡的な作品である。
詳しい感想は以下より。

akudame.hateblo.jp

 

また、11位以下の作品はこちら。
11. セヴァランス
12. アフターパーティ
13. ユーフォリア シーズン2
14. ピースメイカ
15. Pachinko パチンコ
16. 今、私たちの学校は…
17. キャシアン・アンドー
18. ギルデッド・エイジ
19. Mo/モー
20. ステーション・イレブン

 

そのほか2022年以前に放送・配信された作品だったため泣く泣く候補から外したドラマは以下となる。
・2034 そこにある未来
・絶叫パンクス レディパーツ!
・デイブ シーズン1
・デクスター ニューブラッド
・サクセッション シーズン3

特に「2034 そこにある未来」は脳天をぶち抜かれたような衝撃と面白さだった。折を見て感想は改めて書きたい。
「サクセッション」も毎度ながら本当に素晴らしく、最後の展開は鳥肌モノ…
面白いドラマについて語りはじめたらきりがない…