悪魔の吐きだめ

映画とかドラマとかのことを書いてます。

「花束みたいな恋をした」の感想と妄想

観ている間Apple Watchが盛んに振動して心拍数が上昇していることをしつこく知らせてくるので、途中で外してしまった。観終わってそのまま帰路につき、徐にパソコンを開いてこれを書いている。「花束みたいな恋をした」は、きっと誰しも誰かに話したくなる作…

青春映画「ペーパータウン」と「ぼくとアールと彼女のさよなら」について

休日にたまたま「ペーパータウン」と「ぼくとアールと彼女のさよなら」の青春映画2本を立て続けに観る機会があった。いずれもヤングアダルト小説の原作を基にした作品で、何年か前に読んでいたものの映画はずっと未見だった。 この2作には色々と共通点があっ…

2020年の記録(読んだもの、聴いたもの)

毎月の観た映画や読んだ本のことを備忘録的に書こうと思って始めた毎月の記録も、結局志半ばで投げ出してしまって情けない…中途半端なままにしておくのも嫌ではあるので、昨年8月で終わってしまっていた日記ならぬ月記について、9月以降分をまとめて「2020年…

2020年 映画ベスト10

今年観た映画ベスト10の個人ランキング。 第10位「The Forty-Year-Old Version」 かつて有能な若手として期待されていた主人公のラダが、40歳を前にして自分の生き方を見直すコメディである今作。タイトルは「40 Year-Old Vergin」(40歳の童貞男)のパロデ…

2020年 ドラマベスト10

毎年恒例の今年観たTVドラマのベスト10の個人ランキング。 第10位「ミッドナイト・ゴスペル」(Netflix) 「アドベンチャータイム」のペンデルトン・ウォードが仕掛けたサイケデリック瞑想アニメ。劇中で描かれるサイケデリックなアニメと極彩色の世界観とは…

2020年8月の記録

少し遅くなってしまったが8月の記録。 相変わらず夏を感じないまま終わった8月だった。家で仕事をしている時は殆どラジオを流したままにしているのだが、そんな時にふと耳に入ってきたのが「リュックと添い寝ごはん」というバンドの“生活”という曲だった。邦…

2020年7月の記録

とにかく暗い7月だった。外出もできなければ、そのうえ梅雨も一向に明けず、まさに負の連鎖のごとく気が滅入る日々。 家にいる時間も多くなれば必然的に未見・未読のコンテンツに触れることが多くなるが、それに加えてこれまで日常生活で最もムダな時間だと…

第72回エミー賞のノミネートについての雑記

今年の第72回エミー賞のノミネートが発表されたので、それについての雑記。 ●作品賞Outstanding Comedy SeriesCurb Your Enthusiasm • HBO Dead To Me • Netflix The Good Place • NBC Insecure • HBOThe Kominsky Method • NetflixThe Marvelous Mrs. Maise…

青春映画の新たな傑作「ハーフ・オブ・イット」

Netflixオリジナル映画(実際にはオリジナルではないのかな?)の「ハーフ・オブ・イット」が、近年稀に見るめちゃくちゃ良くできた青春ラブコメディ映画だった。従来のラブコメや学園映画の定石を踏みつつ、新たな視点をミクスチャーしたことで、とても新鮮…

恋愛と依存についての自伝的コメディドラマ「フィール・グッド」

今年Netflixでスタートした「フィール・グッド」を鑑賞。近年でもかなりピュアでシンプルなラブストーリーだった。 アメリカのドラマには、「スタンダップコメディアン自らの悲喜交交の体験談をドラマにしました。」というジャンルがある。ジェリー・サイン…

Amazonが放つデジタルネタ満載のコメディドラマ「アップロード」

5月から配信がスタートしたAmazonのオリジナルドラマシリーズ「アップロード〜デジタルなあの世へようこそ」。副題からもわかるようにデジタル化された“あの世”を舞台としたコメディドラマである。 物語は、死んだ人々の記憶をデジタル化してクラウド上にア…

2019年 映画ベスト10

毎年恒例の今年劇場公開された映画の年間ベスト10。 第10位「ファイティング・ファミリー」 スティーヴン・マーチャントが「ジ・オフィス」の放送から20年近く経ってもなおも描き続けるのは“人生を諦めた者の物語”。WWEのオーディションに合格してプロレス女…

「ファイティング・ファミリー」スティーヴン・マーチャントが描いた“諦めた者”についての物語

最近、講談師の神田松之丞がパーソナリティを務めるラジオ「問わず語りの松之丞」をよく聴いている。その中で神田松之丞が「しゃべくりセブン」に出演した際にくりぃむしちゅーの「上田晋也一代記」を行おうとしたが結局やらなかった、という話があった。理…

アナベルから本家「死霊館」へのラブレター?『アナベル 死霊博物館』

ジェームズ・ワンが監督した「死霊館」(The Conjuring)は本当に凄いホラー映画だった。“出そうで出ない(けどやっぱり出てくる)”脅かし演出、ホラーに似つかわしくない流麗なカメラワークなど、ビジュアルや大きな音に頼るだけのワンパターン化していた近…

サプライズの連続!第71回エミー賞を終えて

今年のエミー賞はサプライズの連続だった。 まず、一つめのサプライズにして一番の驚きだったのはジュリア・ルイス=ドレイファスがコメディ部門主演女優賞を逃したことだ。6年連続同役で受賞を果たしていたドレイファスはファイナルシーズンである今年も間…

第71回(2019年)エミー賞ノミネートと受賞予想

先週、第71回エミー賞のノミネートが発表された。最多は「ゲーム・オブ・スローンズ」が32部門のノミネート。賛否ありながらも王者の貫禄を見せつける結果となった。ただ強豪も多いことから簡単に受賞もできないのでは。というわけで各部門毎に予想していき…

6月に観たもの・読んだもの

ちょっと遅くなったけど6月に観たもの、読んだものについて。まず個人的に6月はイベント的なトピックがいくつかあって、一つはサザンのライブだった。奇跡的に40周年ライブツアーの最終日のチケットが取れて、それも久々のライブだったから楽しみで、行って…

5月に観たもの・読んだもの

4月に「アベンジャーズ」、5月に「ゲーム・オブ・スローンズ」というゼロ年代を代表する二大エンターテイメント作品が終わり、まさに盆と正月が一緒に来たってこのことだなと思った。GoTの感想についての記事は以下に書いた。 ただ、終えて今思うのは、あま…

長い戦いを終えて〜「ゲーム・オブ・スローンズ」は一体何がスゴかったのか

「ゲーム・オブ・スローンズ」が終わった。世界中が固唾をのんで見守り続けた玉座を巡る争いを描いた「TVドラマ」が終わったのだ。「アベンジャーズ」と並んで熱狂的なファンダム(熱心なファンで作り上げられた文化)を持つこのドラマシリーズは一体何が凄…

「荒野にて」居場所を求める少年と馬の物語

アンドリュー・ヘイ監督の新作「荒野にて」が本当に素晴らしかった。 監督のアンドリュー・ヘイについては、HBO製作のゲイドラマ「Looking」でその名を知った。今作ではマイノリティの疎外感だけでなく、そのコミュニティ内でもあるゲイ同士の微妙な距離感の…

「After Life/アフター・ライフ」リッキー・ジャーヴェイスが描く人生の悲哀とアイロニー

まず、リッキー・ジャーヴェイスという名前を聞いて、かつてのゴールデングローブ賞の授賞式の司会を思い出す人も多いかもしれない。当時興行的にも失敗し評価もイマイチだったサスペンス映画「ツーリスト」がなんとコメディ部門にノミネートされてしまった…

「マイ・ブックショップ」小さな書店と厳しい現実

大人になってから本を多く読むようになった。何かきっかけがあったわけでは無かったと思うけど今まで触れてこなかったジャンルも含めて読み漁りはじめた。それがきっかけで今も本屋、それこそ大型書店から小さい古本屋まで、見かけるとつい立ち寄ったりして…

ポール・フェイグが放つブラックなガールズコメディ「シンプル・フェイバー 」

アナ・ケンドリック、ブレイク・ライヴリー主演の「シンプル・フェイバー 」は、突然失踪したママ友をブロガーママが追ううちに驚きの真相が判明するというサスペンスミステリー。として謳われていたが、実際観てみるとこれがコメディだったから更に驚いた。…

「グリーンブック」ファレリー兄が描くフラットな“弱者”の物語

今年のアカデミー賞作品賞は「グリーンブック」が受賞した。世間の大方の予想では「ROMA」か「女王陛下のお気に入り」が有力視されていた中での今作の受賞はかなりサプライズでもあった。 それもそのはずで、監督は「メリーに首ったけ」や「愛しのローズマリ…

2018年 海外ドラマベスト10

2018年のドラマベスト10本について。 今年日本で初配信(放送)されたものに絞っています。 第10位「Atypical(ユニークライフ)」シーズン2(Netflix) ベストエピソード ep.1 Juiced! 自閉症を抱える主人公のサムとその家族を描いた今作。何よりもサムを演…

2018年 映画ベスト10

今年面白かった映画上位10本について。 去年の作品やDVDスルーの作品は除いてます。 第10位「RAW」 大学デビューと同時に肉食デビューしたベジタリアン女子が真面目だった殻を破るようにノリノリで人肉に目覚めていく様が最高。一見するとフェティシズム溢れ…

「ペンタゴン・ペーパーズ」とスピルバーグのTV界への恨み節

先日日本で公開となったスティーヴン・スピルバーグ監督の新作「ペンタゴン・ペーパーズ」(原題: The Post)。ベトナム戦争時代の政府の隠蔽文書とそれを世間に公表しようとする新聞社を描いたこの映画はスピルバーグのフィルモグラフィーの中では比較的地…

2017年 海外ドラマベスト10

あくまで「今年日本で配信開始したドラマ」という括りでベスト10本を選出した。そのため、実際に本国での放送から数年経ったドラマもある。しかし、本国と日本のタイムラグは昨年に比べても圧倒的に少なくなってきたと感じた一年だった。 第10位「ハノーバー…

2017年 映画ベスト10

2017年の個人的映画ベスト10について。 第10位「ゲット・アウト」 米人気コメディアンのジョーダン・ピール初監督作は、笑いと恐怖の紙一重の差ギリギリを描いたエンタメホラー映画。古典ホラーをベースにしながら人種問題も取り入れた、2017年のアメリカの…

『キングス・オブ・サマー』 永遠だと思っていたあの夏について

この映画の事を書こうとすると、うまく言葉に纏まらない。でも書き留めて置かないと、朝起きた時には覚えていた夢が、断片となって徐々に消えていくように、この映画を観たときに感じていた気持ちも、いつの間にか忘れてしまいそうになる。その気持ちという…