悪魔の吐きだめ

映画とかドラマとかのことを書いてます。

2020年7月の記録

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とにかく暗い7月だった。外出もできなければ、そのうえ梅雨も一向に明けず、まさに負の連鎖のごとく気が滅入る日々。

家にいる時間も多くなれば必然的に未見・未読のコンテンツに触れることが多くなるが、それに加えてこれまで日常生活で最もムダな時間だと思っていた「通勤時間」が無くなって朝もギリギリまで寝てられるから、その分夜更かししてドラマなどを観ていられるのが嬉しい。あのストレスフルな空間に閉じこもって無我に過ごす時間がなくなったことに関しては、このコロナ禍において唯一のメリットだと思う。

 

そんな中我らが友(と勝手に呼んでる)エイサ・バターフィールドが自宅のオタ部屋&コレクションを公開するという大ニュース。自らのオタクっぷりを惜しみなく披露して好感度はますます爆上がりです。

緊急事態宣言が解除されて、ようやく映画館も再開したものの、やはりなかなか行く気にもなれず結局スルー。「WAVES」、「透明人間」、「はちどり」の3本は特に観たかったけど配信されるまで我慢。来月以降は楽しみにしてた「ブックスマート」と「Mid90s」のジョナ・ヒル兄妹の作品が続けて公開されるが・・・悩ましい。

 

今月の配信映画で素晴らしかったのは、特に2本。Amazonオリジナルの「ヴァスト・オブ・ナイト」とNetflixオリジナルの「ハーフ・オブ・イット」。


どちらもこれまで散々擦ってきた話であるものの、見せ方とかキャラの描き方でここまで面白く・新しくできるのかと唸ってしまう。


あと、こちらはレンタルで観たホラー映画「ザ・ロッジ」もとても良かった。監督は「グッドナイト・マミー」の人で、個人的に前作はオチが分かってからが退屈になってしまう映画だったのだが、今作では“オチ”が分かってから映画のテンションがガンガン上がっていく。カメラワークも異常だし、とにかく凄いの撮ってやるぞ!という野心が演出から滲み出てるのがいい。そして主演のライリー・キーオがヤバい。


ドラマシリーズでは、めちゃくちゃピュアなラブストーリー2作「フィール・グッド」と「ノーマル・ピープル」が傑作。

「フィール・グッド」は基本的はコメディなので笑いながら楽しめるが、「ノーマル・ピープル」は毎話30分の中にグサグサと観る者の心を刺してくる。高校卒業から大学院までの人生を断片的に描いており、回ごとに年が進むためまるで章立ての小説を読んでいる気分になる。


このほかに、アメリカでは一昨年終了したジェイソン・ライトマンがプロデュースする「カジュアル」全4シーズン分を観了。ライトマンの作品には“場を台無しにするヒロイン”が登場するのだが、それは今作でも健在。ここぞというところで関係や周囲をブチ壊していく。そのヒロインを演じるのがミカエラ・ワトキンズなのだが、この方これまでは脇役でよく見かける&顔つきのせいかちょっと意地悪な上司役みたいな役柄が多いのだが、今作では寂しげで自己中なバツイチ女性のキャラクターがハマっている。元はコメディアンだけあって笑いのセンス、というか“間”が絶妙で、彼女のおかげでドラマの質が上がってることは間違いない。最終話付近はちょっとホロリとさせられるし、あんまり認知されてないのがもったいないドラマの一つかと。


読書。ポール・オースター「ブルックリン・フォリーズ」でニューヨークに憧れて、スティーヴン・キングミザリー」で夏はやっぱりキングだなとしみじみ思い、岬書店「ブックオフ大学ぶらぶら学部」で久々にブックオフに行きたくなる夏。

ミザリー (文春文庫)

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ブルックリン・フォリーズ (新潮文庫)

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