悪魔の吐きだめ

映画とかドラマとかのことを書いてます。

2022年エミー賞受賞予想

毎年恒例となっている、アメリカTVドラマの祭典エミー賞について、今年の各主要部門の受賞を主観、下馬評から予想してみた。


●ドラマ部門

【作品賞】

f:id:delorean88:20220912181339j:image
予想:サクセッション
昨年は「ん?」と思うようなノミネートが多かったが、今年は納得のノミネート揃いという印象。エミー常連の「This Is Us」の満を辞したファイナルシーズンがsnubされたのも驚きだが、個人的には「イカゲーム」の過大評価も気になる。同じ韓国なら「パチンコ」の方がよほど良くできたドラマなのに!
新顔の「セヴェランス」、「イエロージャケット」のノミニーも嬉しいし、そろそろ無冠の帝王「ベター・コール・ソウル」が受賞しても良い頃とは思うんだけど、やはり面白さとクオリティが抜きん出ていた「サクセッション」が受賞だろう。


【主演男優賞】

f:id:delorean88:20220912181350j:image
予想:ボブ・オデンカーク(ベター・コール・ソウル)
そろそろオデンカークが受賞しても良いだろうと予想。現にシリーズで過去最高の演技だった。ただ、来年の選考対象となるファイナルシーズンでの受賞に持ち越しになる可能性が高いのも事実。対抗馬は、前哨戦や下馬票を見る限り「イカゲーム」のイ・ジョンジェと予想。


【主演女優賞】

f:id:delorean88:20220912181402j:image
予想:ゼンデイヤユーフォリア
ファイナルシーズンも残念ながらコケた「キリングイヴ」組の受賞は無いだろうし・・・となるとメラニー・リンスキーゼンデイヤだが、「ユーフォリア」のキレと泣きで圧巻の凄味を見せたゼンデイヤが受賞だろう。


助演男優賞

f:id:delorean88:20220912181420j:image
予想:ジョン・タトゥーロ(セヴェランス)
「セヴェランス」での哀愁ある演技が印象的だったタトゥーロだろう。「サクセッション」組はキーラン・カルキンはじめ3人ノミネートなので相打ちになる可能性が高い。


助演女優賞

f:id:delorean88:20220912181431j:image
予想:レイ・シーホーン(ベター・コール・ソウル)
ここまで演技が評価されているのにも関わらず初ノミネートであることすら驚きのレイ・シーホーンが受賞するはず。
対抗馬はパトリシア・アークエットサラ・スヌークシドニー・スウィーニーだろう。


【監督賞】
Jason Bateman, “Ozark” (“A Hard Way to Go”)
Hwang Dong-hyuk, “Squid Game” (“Red Light, Green Light”)
Karyn Kusama, “Yellowjackets” (“Pilot”)
Mark Mylod, “Succession” (“All the Bells Say”)
Cathy Yan, “Succession” (“The Disruption”)
Lorene Scafaria, “Succession” (“Too Much Birthday”)
Ben Stiller, “Severance” (“The We We Are”)


予想: ベン・スティラー(セヴェランス)
ベン・スティラージェイソン・ベイトマンの名前を見て本当に監督賞か?と一瞬目を疑う。緊迫感ある最終話だったセヴェランスで、前作「エスケープ・アット・ダンネモラ」で受賞を逃した雪辱を果たすと予想。
対抗馬は「イエロージャケット」のカリン・クサマか、美しいショットが流石だった「サクセッション」のマーク・マイロッド。


脚本賞
Jesse Armstrong, “Succession” (“All the Bells Say”)
Dan Erickson, “Severance” (“The We We Are”)
Hwang Dong-hyuk, “Squid Game” (“One Lucky Day”)
Ashley Lyle and Bart Nickerson, “Yellowjackets” (“Pilot”)
Jonathan Lisco, Ashley Lyle and Bart Nickerson, “Yellowjackets” (“F Sharp”)
Chris Mundy, “Ozark” (“A Hard Way to Go”)
Thomas Schnauz, “Better Call Saul” (“Plan and Execution”)


予想:ジェシー・アームストロング(サクセッション)
非常に予想が難しいが、サスペンスとコメディがない混ぜになった驚異の「サクセッション」の最終話と予想。

 

●コメディ部門

【作品賞】

f:id:delorean88:20220912181450j:image
予想:アボット・エレメンタリー
コメディの予想が今年一番難しい。「バリー」も「テッド・ラッソ」も残念ながら前シーズンを越える出来ではなかったし、「マーベラス・ミセス・メイゼル」も受賞には弱い。常連で唯一前作を超えるクオリティだったのは「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」なのだが、これが今年の作品賞の顔かと言うと違うだろう。となると、受賞は新顔の「アボット・エレメンタリー」か「マーダーズ・イン・ビルディング」なのだが、個人的にはどちらも乗れなかったのが辛いところ。


【主演男優賞】

f:id:delorean88:20220912181507j:image
予想:スティーヴ・マーティン(マーダーズ・イン・ビルディング)
グローバー、ヘイダー、サダイキスの3名は受賞経験があることと、今シーズンのクオリティを考えると受賞は無いかと思う。マーティン・ショートの受賞の可能性もあるが、少し過剰な演技が気になったので、同じマーティンでもスティーヴに一票。


【主演女優賞】

f:id:delorean88:20220912181517j:image
予想:クインタ・ブランソン(アボット・エレメンタリー)
2年連続のジーン・スマートの受賞の可能性もあるが、上記の作品賞予想から「アボット・エレメンタリー」が席巻する可能性が高い。悲しいかな「インセキュア」はファイナルシーズンながら作品賞もsnubされて「ブラッキッシュ」と同じ運命を辿り、イッサ・レイも受賞はやはり難しいだろう。


助演男優賞

f:id:delorean88:20220912181531j:image
予想:アンソニー・キャリガン(バリー)
作品としての評価はさておき、シーズン毎に出番を増やしている面白立ち位置を確立したノーホー・ハンクことアンソニー・キャリガンと予想。対抗馬は同じく「バリー」で独立したエピソードが多かったエンリー・ウィンクラーか。


助演女優賞

f:id:delorean88:20220912181541j:image
予想:ケイト・マッキノン(サタデーナイトライヴ)
前哨戦のハリウッド批評家協会賞では「Hacks」のハンナ・エインビンデルが受賞していたが、日本では観られないため予想し難い。ただ、「アボット・エレメンタリー」組、「テッド・ラッソ」組のキャスト陣が今回良かったとは到底思えないので、ここは今季でSNL卒業となったケイト・マッキノンが優秀の美を飾ってほしいと予想。


【監督賞】
Lucia Aniello, “Hacks” (“There Will Be Blood”)
Jamie Babbit, “Only Murders in the Building” (“True Crime”)
Cherien Dabis, “Only Murders in the Building” (“The Boy From 6B”)
Mary Lou Belli, “The Ms. Pat Show” (“Baby Daddy Groundhog Day”)
MJ Delaney, “Ted Lasso” (“No Weddings and a Funeral”)
Bill Hader, “Barry” (“710N”)
Hiro Murai, “Atlanta” (“New Jazz”)


予想:ビル・ヘイダー(バリー)
これは間違いなくビル・ヘイダーだろう。前シーズンでも自ら監督した「バリー」の傑作エピソード、もといTVシリーズ界でも名を残すだろう名作の「ronny/lily」で監督賞の逃すというまさかの結果だったが、今回もバイオレンスとユーモアのバランスが絶妙だった「710N」が受賞しない訳がない。シーズンを通せばそこまでではないのだが、傑出したエピソードだ。


脚本賞
Lucia Aniello, Paul W. Downs and Jen Statsky, “Hacks” (“The One, the Only”)
Quinta Brunson, “Abbott Elementary” (“Pilot”)
Bill Hader and Alec Berg, “Barry” (“starting now”)
Alec Berg and Duffy Boudreau, “Barry” (“710N”)
Steve Martin and John Hoffman, “Only Murders in the Building” (“True Crime”)
Jane Becker, “Ted Lasso” (“No Weddings And A Funeral”)
Sarah Naftalis, “What We Do In The Shadows” (“The Casino”)
Stefani Robinson, “What We Do In The Shadows” (“The Wellness Center”)


予想:ステファニー・ロビンソン(シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア)
作品賞は逃すとしても脚本賞は「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」の傑作エピソード「ウェルネスセンター」が受賞と予想。ギャグとツイストが入り混じった今作の到達点。脚本家のロビンソンは「アトランタ」の脚本チームにも名を連ねており今後も目が離せない存在かもしれない。

 


●リミテッド/アンソロジーシリーズ部門

【作品賞】

f:id:delorean88:20220912181556j:image
予想:ホワイトロータス
話題性と面白さから言えば「ホワイトロータス」が一番だろう。個人的には「パム&トミー」も良かったが。
対抗馬は「DOPESICK」になると思われるが、シリーズモノとしての面白さに欠いていたので個人的には無し。


【主演男優賞】

f:id:delorean88:20220912181611j:image
予想:マイケル・キートン(DOPESICK)
上記に通り「DOPESICK」はドラマとしての面白さはないのだが、演技面でははやり貫禄の違いを見せつけたマイケル・キートンと予想。個人的には「ステーション・イレブン」のヒメーシュ・パテルも良かったのだが、出番がもう少しあれば・・・と思うところ。


【主演女優賞】

f:id:delorean88:20220912181622j:image
予想:マーガレット・クアリー(メイドの手帖)
下馬評では「ドープシック」のアマンダ・サイフリッドの予想だが、個人的にはまったくありえない。こんなにも薄っぺらいキャラクターを演じて受賞なんてあるだろうか。個人的に推したい「メイドの手帖」(作品賞にノミネートされていないことも驚きだが)での圧巻の演技だったマーガレット・クアリーに一票。


【監督賞】
Hiro Murai, “Station Eleven”
Michael Showalter, “The Dropout”
Francesca Gregorini, “The Dropout”
Danny Strong, “Dopesick”
John Wells, “Maid”
Mike White, “The White Lotus”


予想:ヒロ・ムライ(ステーション・イレブン)
ジョン・ウェルズ、マイク・ホワイトの確かな演出力も良かったが、ここは「ステーション・イレブン」で圧倒的な1話を作り上げたヒロ・ムライと予想。同じドラマ内でも差の違いを見せつけていたし、ムライが全話監督していれば間違いなく作品賞に食い込めただろう。


脚本賞

Elizabeth Meriwether, “The Dropout”
Sarah Burgess, “Impeachment: American Crime Story”
Molly Smith Metzler, “Maid”
Patrick Somerville, “Station Eleven”
Danny Strong, “Dopesick”
Mike White, “The White Lotus”


予想:マイク・ホワイト(ホワイトロータス
ヘンテコな作りながら最後に大団円を迎えた「ステーション・イレブン」はさすがパトリック・ソマーヴィルという作りだったが、同じくヘンな話とすれば「ホワイトロータス」を評価したい。

 

受賞予想は以上。果たして今年はどんな作品、そして誰が受賞するのか。気になる授賞式は日本時間の9月13日9時から開始する。

 

映画の面白さを思い出させてくれた「NOPE/ノープ」

f:id:delorean88:20220908184757j:image

ジョーダン・ピールの最新作「NOPE/ノープ」を観た。

ピールの初監督作の「ゲット・アウト」は楽しめたものの、2作目の「アス」があまり好きでなかったこともあり、正直今作もあまり期待はしていなかった。


しかし、完全に度肝を抜かれた。久しぶりに“映画”を観た、という興奮で圧倒されてしまった。


物語のテーマやメタファーについては、後からパンフレットやインタビューなどで知ったが、何よりも今作で夢中になったのはそこではない。映画の楽しさが詰まっていたからだ。

 

(以降、物語の展開に少し触れています)


主人公のOJ(ダニエル・カルーヤ)とエメラルド(キキ・パルマー)の兄妹は、自ら営む牧場でUFOらしき飛行物体を目撃する。そしてそれを撮影しようとする。


ここに至るまでの紆余曲折の話もあるのだが、シンプルにまとめればこういった話である。


兄妹は知り合ったカメラマンのや家電屋のアルバイトで即席の撮影チームを作り、「Gジャン」と名付けられた飛行物体をカメラに収めようとする。


このシーケンスの何が素晴らしいかを文字で語るほど野暮なことは無いので詳細は控えるが、普段であれば結成することも無さそうな面々が「即席」の「チームを結成する」というところが、まずアツい。


Gジャンを撮影するために彼らはカメラをセットし、スカイダンサーと呼ばれる風船式で動く呼び込みのマスコットを牧場内に配置。馬に乗ったOJが位置につく。そこで作戦の合図と同時に馬が走り出す。この瞬間、“映画”も動き出す。


それぞれが持ち場での役割を果たそうとするサスペンスと、俯瞰カメラのショットが上空からGジャンと主人公を捉え、そのままグッと地上に近づいていく大胆で豊かなカメラワーク、喰うか喰われるかの状況を盛り立てるフルオーケストラの劇伴、そのすべてが一体となって“映画のクライマックス”が最高潮に達する。


なんだろう、例えるならば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のクライマックスのような息を呑むサスペンスかつ完璧なハイライトで鳥肌が立ちっぱなしだった。


さらにこれだけで終わらないのが今作のスゴいところで、多くのリファレンスや張られた伏線の回収までも本当に見事である。


何よりも本当に豊かなショットに溢れていて、それらを全てを挙げるとキリがない。OJと馬の肩越しに上空を捉えた夜空の不穏さ、カメラが大きく空をパンすると雲の切れ間から時折覗くGジャンの壮大かつホラーなシーケンス、ジェームズ・ワンもびっくりな血塗れの雨が降りそそぐ屋敷のロングショット、窓越しに流れる血の赤(これが冒頭のシーンで見られるテーブルクロス越しの血の繰り返しであることはここで触れておきたい!)。ジュピターパークの巨大風船が上空に浮かぶ滑稽さも忘れられない。
とにかくギョッとするようなシーンから、ユニークなショットまでこんなにも充実した場面に溢れた映画は久しぶりだった。


個人的な話になるが、最近映画を観るときに物語ばかりに気を取られていて、話がつまらない=作品として面白く無い、と決めつけていたことが多かったように思う。
だが、映画というものはそうではない。すべての要素が渾然一体となって、一つ一つのショットが成り立ち、それがさらに合わさって一本の映画となっている。
何を今更と鼻で笑われてしまうけど、そんな当たり前のことに、そして映画を観るという面白さに改めて気がつかせてくれてのが、この「NOPE/ノープ」だった。

もうすぐ終わりを迎える「ベター・コール・ソウル」について

つくづくとんでもないドラマシリーズだなと思ってしまう。
今回のシーズン6での幕切れが発表された「ベター・コール・ソウル」も残すところ1エピソードとなった。

f:id:delorean88:20220810174828j:image

 

(以降ドラマの核心について触れています)


終盤でサスペンスフルな展開を見せたラロとの闘いも決着し、いよいよ「ブレイキング・バッド」以降のソウルの“エピローグ”に焦点が当てられる。


アルバカーキでの騒動から逃げてオマハに身を隠していたソウルは、やはり慎ましく暮らすことなど出来ずに悪事に手を染めてしまう。そんな11話のエピソードタイトルは“Breaking Bad”。
その名の通り、本家シリーズの主役であるウォルターとジェシーが回想シーンの中で登場するのだが、このタイトルを冠したことと、2人の登場は単なるファンサービスではない事が分かる。“break bad”というそもそもの意味に立ち帰ると、“慣習に従っていた人がその道に逆らう”というもの。自らの身に染み付いた悪の道からは逃れる事ができないソウルがその時に思い出すのが、過去に“道を逆らった”2人、ウォルターとジェシーであり、登場は必然なのである。


この回想シーンというのはソウル目線で思い起こされているが、ここに自らの姿とウォルターとジェシーを重ね合わせたかどうかは分からない。ただ、ソウルの起こした行動の動機となっていることは間違いない。彼の運命を変えた、もしくは彼の生きるべき道を示した出会いなのだから。


そして続く12話では、ソウルのパートナーであったキムが再び登場し、彼と別れたその後が描かれる。彼女も“break bad”した1人であり、弁護士を辞めた以降は民間企業に勤めて退屈な日常を過ごしている。冒頭、彼氏であろう男にマヨネーズの買い物を頼んだが、結局マヨネーズ“らしい”何かで“妥協する”というシーンは、キムの現在を端的に表している。
そこにかつての“悪友”であるソウルから職場に電話がかかってくる。それは抗い難い悪への誘いである。再びソウルに身を委ねるか、過去と決別してこの日常を生きるか。この時の受話器に耳を傾ける彼女、レイ・シーホーンの表情がとてつもなく素晴らしい。


最終的にキムは贖罪の道を選ぶ。過去の罪を償い、バスで嗚咽する彼女を長い1ショットで捉えるカメラに、なんて物哀しくてエモーショナルな場面なのだろうと観てるこちらも涙してしまう。
ブレイキング・バッド」というのは、特異なキャラクターとサスペンスを主軸に置いたドラマシリーズであったが、この「ベター・コール・ソウル」においては“キム”という罪の意識を持ったキャラクターを一人置くことで、ドラマとしてより一層奥深い話になっているのかと気付かされる。こんなにも情緒的なシーンは「ブレイキング・バッド」では描かれなかったし、到底描くことができなかった。


そんなキムとジェシーが、過去に思わぬところですれ違っていたことが描かれる。2人はソウルとウォルターという悪に導かれてしまった、ある意味での犠牲者であり、1人は悪事と縁を切り、1人はこれから悪事に手を染めることになる。大雨の中に駆け出すキムと、屋根の下に立ち尽くすジェシーの対照的な構図は、思わず溜息が漏れてしまうような見事さだ。


一方のソウルは、逃避先の街でも悪事を働き、仲間の制止も聞かずに窮地に陥る。リスクを冒す必要のない場面で、敢えて危険な状況に手を出していく姿は、内心で「捕まりたい」という気持ちがどこかにあるのではないかと勘繰ってしまう。


今回のエピソードでの印象的なシーンの一つとして、老人に対し自らの名を偽り騙っていたソウルの素性が、ウェブ上で流れていた過去のCMによってバレてしまう場面がある。
これまでエピローグのシーンはモノクロで描かれているのだが、パソコンに映し出される過去の「ソウル・グッドマンのCM」だけが色鮮やかに彼の眼鏡に反射する。それはまるで、ソウル・グッドマンの頃こそが彼自身が“生きていた”時代であり、いまの逃避先での暮らしはモノクロで味気の無いようなものと表しているかのようである。
自らの過去のCMを観るソウルは、驚愕するとともにどこかハッと思い起こされたような表情をする。自分のあるべき道を思い出したかのように。

f:id:delorean88:20220810174924j:image


街を後にした彼はこの先一体どこへ向かうのか。今シーズンのポスターのように再び色鮮やかな“ソウル・グッドマン”のジャケットに袖を通すことになるのか。「ベター・コール・ソウル」という旅の終わりを、文字通りに固唾を呑んで待つしか無い。

「スパイダーマン : ノー・ウェイ・ホーム」を観た

f:id:delorean88:20220110115827j:image

スパイダーマン : ノー・ウェイ・ホーム」をようやく観た。「ネタバレ厳禁」が強く喧伝されていたものの、アメリカでの公開からタイムラグがあったせいでYouTubeやらニュースサイトでネタバレを食らってしまうということもあり、公開前にはおちおちネットも開けない状態だった。
そうして「ようやく」観た後の感想を一言で言えば、「めちゃくちゃ楽しかった」である。とは言え手放しで褒められるかというとそんな事は無くて、うーん・・・と思う不満もTwitterには書けないので、ここに感想を書いていきたい。

(以降ネタバレあり)

 

 

 


やっぱり興奮したのは、トビー・マグワイアアンドリュー・ガーフィールドの先代スパイダーマンの登場、かつ垣根を越えて3人が揃うという展開だったのは間違いない。スパイダーマン自体に思い入れがそこまである訳ではないが、サム・ライミ版を公開当時に観ていた身としては、出会うはずの無いスパイダーマンの歴代3人が揃う展開は本当に胸が熱くなった。


しかし、折角揃ったのにそこで生まれる会話やドラマが少し物足りないと感じてしまった。まず、アンドリュー・ガーフィールドトビー・マグワイアが登場する場面、この2人のやり取りを見たいのに、ネッドとネッドの祖母のやり取り(コメディ)がノイズに感じてしまう。(ましてやネッドの祖母は初登場であるし・・・)
続く、トム・ホランドと合流した後の理科室のくだりもストーリーが停滞してしまい、高揚感も持続せずになんだか、、、楽屋話を聞いてる気分になってしまった。


そして何よりもジョン・ワッツのアクション演出力不足。テンポは良いのだが、せっかく3人揃ってのスパイダーマンなのに目を見張るようなアクションが無いのが本当に残念だった。(もしサム・ライミが撮っていたら・・・と観ながら想像してしまった)

こうした不満はあったものの、 「アメイジング」で最後に亡くなったグウェンの後悔(続編が作られなかった故に中途半端になった話)をガーフィールドスパイダーマンが救うことで“救済”したり(この時のガーフィールドの演技が本当に最高!)、歴代ヴィランたちを牽引するウィレム・デフォーの全く衰えない最狂の演技が観れたりと楽しめた部分の方が圧倒的に多い。


脚本を手掛けたのは、エリック・ソマーズとクリス・マッケナの「Community」のコンビ。よくある30分のシットコムかと思いきや、メタ構造やタイムリープネタで他に類を見ないコメディドラマ出身の彼らは、前作の「ファー・フロム・ホーム」でもトリッキーなツイストを用意していたが、今回もまぁよくもドラマ同様にこんなめちゃくちゃでファンフィクションのような話を仕上げたものだと改めて驚く。

トム・ホランド演じるシリーズは今作で最後のようだが、3人の「スパイダーマン」が揃い踏みし、これまでの敵を成仏するという展開は、“親愛なる隣人”という名に相応しい最終作だったと思う。

エンディングで流れるのは、デ・ラ・ソウルの「The Magic Number」という曲。

その歌詞を見ると、

“3 That's the Magic Number”

3、それは魔法の数字

“Without my 1 and 2 where would there be My 3”

1と2がなければ僕の3番目は存在しないんだよ

という歌詞が先代のスパイダーマンマグワイアガーフィールド)あっての今がある、という内容とリンクして聴き返すと更に泣けてきてしまう。

2021年 映画ベスト10

毎年恒例の今年観た(公開・配信された)映画ベスト10について。

f:id:delorean88:20211231070235j:image


第10位「バーブ&スター ヴィスタ・デル・マールへ行く」

f:id:delorean88:20211231070247j:image
クリステン・ウィグとアニー・マモロウの「ブライズメイズ」コンビの新作ということで期待していたが、前作と打って変わって完全にバカバカしいコメディに振り切った快作(怪作)。中年期の女性の悲哀を混ぜたコメディになるかと思いきや、ツッコミ不在のまま突き進む異様さと底抜けにハッピーな展開にある意味感動。


第9位「ザ・スーサイド・スクワッド

f:id:delorean88:20211231070259j:image
ディズニーに一時切られたジェームズ・ガンがワーナーと手を組んで、お金かけて好き放題やりまくった大作。今の時代にこんなビッグバジェットなB級映画(褒めてる)が作られることに心底驚いた。とはいえ後半からは陰に生きる人々をフィーチャーした展開はこれまでのガンの作品にも共通する至って真面目な映画でもあったなと思う。


第8位「ドント・ルック・アップ」

f:id:delorean88:20211231070312j:image
超豪華俳優陣を揃えて今のコロナ禍とメディアと政治を全てひっくるめたブラックコメディとしてゲラゲラ笑いながらも、あまりに現実と地続きな話にギョッとする。すっかり最近は政治映画専門となったアダム・マッケイだが、近年の作品の中でも特に面白かった。


第7位「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」

f:id:delorean88:20211231070322j:image
007への思い入れはそこまで無いのだが、ダニエル・クレイグのボンドの最終作としてもアクションとしても楽しめた一本。やはり何より白眉は、アナ・デ・アルマスとクレイグのアクションシーケンスで、この軽快さとユーモアは間違いなく脚本に参加したフィービー・ウォーラー=ブリッジの功績だと思うし、全編でこのノリが続いて欲しかったという気持ちもある。


第6位「スポンティニアス」

f:id:delorean88:20211231070332j:image
ティーンエイジャーの身体が爆発する奇病が発生する死と隣り合わせの中で出会った男女の物語」というあらすじだけでは全く訳が分からないのだが、そんな変わった設定ながら中身はめちゃくちゃピュアな学園ラブコメ映画という佳作。チャーリー・プラマーとキャサリン・ラングフォードの演技もさることながら、10代の刹那な日常の切り取り方が秀逸だった。


第5位「パワー・オブ・ザ・ドッグ」

f:id:delorean88:20211231070343j:image
広大な荒野を舞台に、高圧的な牧場主とそれを取り巻く人々の関係性がヒリヒリと描かれるのだが、何よりもベネディクト・カンバーバッチとコディ・スミット=マクフィーの演技の素晴らしさ尽きる。カンバーバッチ演じるフィルというキャラクターとマクフィー演じるピーターのパワーバランスが一気に逆転する場面は鳥肌モノ。単に“トキシック・マスキュリニティの解体”という言葉で片付けてはいけない、美しくもアブない雰囲気を纏った秀作。


第4位「ミッチェル家とマシンの反乱」

f:id:delorean88:20211231070348j:image
映像が凄い、アクションが凄い、という以上に久々に超面白いコメディ映画だった。もちろん「スパイダーバース」の制作陣故に映像の情報量も途轍もないのだが、全編に渡るギャグの嵐と家族愛をテーマにめちゃくちゃ綺麗に収めてる点でも本当に凄い作品。


第3位「花束みたいな恋をした」

f:id:delorean88:20211231070355j:image
恐らく観る人によっても思い入れや評価が変わる「あの時」を追体験できる胃痛恋愛映画。どの場面を切り取っても男女双方の視点で語ることができる点においても凄い作品で、今さらながら脚本家 坂元裕二のスゴさを知った一本。
別記事に感想を書いてるのでそちらも。


第2位「アメリカン・ユートピア

f:id:delorean88:20211231070452j:image

トーキング・ヘッズは数曲知っている程度で、世代でも大ファンでもないのだが、まさかここまでハマるとは思ってなかった。デヴィッド・バーンの歌唱力と、楽器隊の生演奏の迫力、ヘンテコで癖になるダンスが組み合わさった時の高揚感がハンパない。特に「This Must Be The Place」の“Ooh〜”のくだりで行進するところが最高に好きです。


第1位「マリグナント」

f:id:delorean88:20211231070420j:image
ホラー作品の監督から暫く離れ、すっかり大作映画監督のイメージとなりつつあるジェームズ・ワン。「死霊館3」の監督からも退いた裏で進めていた完全オリジナルの新作ホラーに期待していたが、まさかこんなトンデモ映画だったとはという驚き。そして、無茶苦茶な話ながら、これまで培った演出力で、ジャンプスケアに頼らない流麗なカメラワークやトンチキアングルのビジュアルの洪水で眼福&大満足。この暗い世の中でも、こんなぶっ飛んでとにかく楽しい映画からパワーをもらえたのが嬉しくて敢えて今年のベストとしました。


〈次点〉
「ファーザー」
親子のドラマかと思いきや、アルツハイマー患者の視点に立ったホラーでびっくりした。

「ビーチ・バム」
ユルいマシュー・マコノヒーのメロウなロードムービーとして面白かった。

「ズーム/見えない参加者」
「アンフレンデッド」と同じ系統かと思って嘗めてたら、あらゆるアイデアが凝縮されていて感動。世のZOOM系コンテンツはこれを見倣ってほしい。


〈見逃し旧作ベスト5〉
「スリー・フロム・ヘル
デビルズ・リジェクツが哀愁たっぷりに帰ってきただけで泣いた。

「恐怖のセンセイ」
新時代のファイトクラブ

「わたしたち」
小学生時代を追体験して号泣。

「ザ・ライダー」
意外にもサスペンスとして一級の面白さ。

「ソウルフル・ワールド」
物語、映像、音楽どこを取っても超一級。

2021年 ドラマベスト10

毎年恒例の今年のドラマランキング個人ベスト10について。

f:id:delorean88:20211229175148j:image


10位「メア・オブ・イーストタウン」(HBO)

f:id:delorean88:20211229175138j:image

ケイト・ウィンスレット主演の骨太ミステリー。小さな田舎町を舞台にした狭いコミュニティ内で顔見知りであるが故の疑心暗鬼となる人間ドラマの重厚さが流石HBO。ウィンスレットは言わずもがな、今年のエミー賞で無名ながら助演女優賞を受賞したジュリアンヌ・ニコルソンはじめ、住民役の役者陣がほぼ全員ハイレベルな演技をしているのも見どころだった。


9位「フィール・グッド」 シーズン2(Netflix

f:id:delorean88:20211229175215j:image
コメディアンのメイ・マーティンの実体験を自らドラマ化した今作。シーズン1も素晴らしかったが、今シーズンでは主人公メイのトラウマへの向き合い方、心の機微を丁寧に(時に馬鹿馬鹿しくも)描いていてとても良かった。


8位「ザ・チェア」(Netflix

f:id:delorean88:20211229175224j:image
サンドラ・オー主演、女優のアマンダ・ピートがショーランナーを務め、旦那のデヴィッド・ベニオフとD.B.ワイスのGoTコンビがプロデュースの「大学の教授陣の政権争いを描いたコメディ」と聞いて、まったく想像がつかなかったが、大学学部長を中間管理職として描きその悲喜こもごもを哀愁たっぷりに描いた作品として今年一ウェルメイドで期待を超えた面白さだった。サンドラ・オーの演技の巧みさも再認識。

 


7位「マスター・オブ・ゼロ」シーズン3(Netflix

f:id:delorean88:20211229175233j:image
待望のシーズン3ながら、主演兼ショーランナーだったアジズ・アンサリはバックに回り、リナ・ウェイスとナオミ・アッキーを主役としたカップルのドラマを描いた今作。「Moment In Love」というサブタイトルが付くように、恋人同士だった2人が徐々にすれ違うまでの顛末、人生の楽しかった瞬間を切り取った丁寧なドラマに胸が締め付けられた。これまでにあったようなコメディの部分が無いため評価は分かれたものの、こうしたミニマムな人間関係こそが今作の魅力であり、「Master Of None」というタイトルが表すように「器用貧乏な」人間ドラマではないかと思う。

 


6位「大豆田とわ子と三人の元夫」(カンテレ)

f:id:delorean88:20211229175242j:image
日本のドラマは殆ど観ないのだが、今作に関しては久々に「ハマった」という1本。決して大きな事件が起きることは無いのだが、松たか子演じる大豆だとわ子と周囲の人間ドラマ、コメディとサプライズの絶妙なバランスと、エンディングに至るまでの作り込みに毎週楽しみになってしまったドラマ。同じ脚本家の坂本裕二の過去作「最高の離婚」や「カルテット」も追いかけて観てすっかりドハマりしてしまいました。

 


5位「神話クエスト」シーズン2(Apple TV+)

f:id:delorean88:20211229175253j:image
とあるゲーム開発会社を舞台にしたオフィスコメディとしてシーズン1はそこそこに楽しめたかなという印象だったが、シーズン2はギャグのキレが格段に上がりめちゃくちゃ笑えるとともに、前季で登場したキャラクターたちが際立ち一人一人のドラマが描けている点ですごく面白かった。シーズン1から2になる点で明暗が分かれるのはこのドラマをきちんと描けるかどうかではないかと今更ながら思う。昨年ベスト10に入れるぐらい面白かったのにシーズン2がまるで駄目だった「テッド・ラッソ」、「私の”初めて”日記」に共通して言えるのはこのキャラのドラマ、成長を描けていなかった点にあると思う。

 


4位「メイドの手帖」(Netflix

f:id:delorean88:20211229175300j:image
「夫のDVから逃げるために娘を連れて家出した主人公がメイドになってお金を稼ぐ話」と聞いてあまりの重いテーマに観る気がなかなか起きなかったし、実際に重い物語と展開で気が滅入ることもあったのも事実。だが、それ以上に主演のマギー・ケアリーの憂い顔をしつつも気丈に振る舞う演技が(コメディ要素込みで)素晴らしく、かつハイテンポな演出で”ドラマ”というエンターテイメントにうまく落とし込んだ面白さがあった。後から監督・製作が「ER」シェイムレス」のジョン・ウェルズだと知り、驚きつつも納得した。

 


3位「ホワイト・ロータス」(HBO)

f:id:delorean88:20211229175308j:image
ハワイのリゾートホテルを舞台にした宿泊客と従業員とのゴタゴタを描いたまさに”グランドホテル”形式のコメディドラマ。ブラックな笑いとぞれぞれの衝突が張り詰めていく中で、カットインで映し出されるハワイの絶景が素晴らしく、こんな大自然の中でもこんなにも醜くくて小さい諍いが起きるという皮肉さが良い。全話の脚本・監督を務めたマイク・ホワイトの手腕と、終始ヘコヘコと奇妙に鳴り続けて耳に残るテーマ曲、そして誰しも印象に残るであろうジェニファー・クーリッジの暴走演技で、唯一無二の世界観を作り上げた、楽しくも今年一クレイジーな1本。

 


2位「地獄が呼んでいる」(Netflix

f:id:delorean88:20211229175418j:image

ある日突然地獄から来た使者が特定の人間を焼き殺す事件が発生し・・・という物語から驚きのツイストを加えた救いのない展開ながら、アクションの楽しさも兼ね備え、個人的には「イカゲーム」よりも遥かに面白く見どころがある韓国ドラマだった。「新感染」のヨン・サンホの作家性というのがイマイチ掴めていなかったが、人間の汚さという部分を煮詰めてエンタメに昇華する巧みさというのが今回で証明されたように思う。

 


1位「セックス・エデュケーション」シーズン3(Netflix

f:id:delorean88:20211229175424j:image
シーズン1、2も観続けて好きなドラマではあったが、まさかここまで化けるとは・・・こんなにも泣かされるかと驚かされた意味でもダントツで今年一位のドラマ。性教育がテーマだけに前季まではイロモノ的なコメディ要素がメインだったが(それがこのドラマの魅力でもあったが)、今シーズンでは2年かけて描いたキャラクターたちをミックスし、一人一人をさらに深堀りしてこんな一面があったのか!と何度も笑いながら涙ぐんでしまった。

 


<次点>
「モーニング・ショー」シーズン2(Apple TV+)
ギョッとするエピソードもあり基本楽しめたが、いち早くコロナをテーマに取り入れつつも少し時期尚早で粗が目立ったのが残念。

「マーダーズ・イン・ビルディング」(Star/ディズニープラス)
スティーヴ・マーティンマーティン・ショートの懐かしい2人とセレーナ・ゴメスが織りなす古き良きミステリーという趣で、今年サプライズヒットとなった1本。ミステリーとして十分楽しめたものの、少しエンジンがかかるのが遅かった点と、やはりギャグがちょっと古かった・・・

 


<見逃し旧作ベスト5>
今年のドラマではないものの、見逃して面白かった5本もここで供養させていただきたい。

「バリー」 シーズン2(HBO)
第5話「ronny/illy」が最高!

「ザ・クラウン」シーズン3(Netflix
シリーズ最高傑作。

「ピュア」(BBC
何故UKドラマはこんなにも繊細で泣けるのか。

「Pバレー」(Starz)
ストリッパー版「オレンジ・イズ・ザ・ニューブラック」。

「僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE」(HBO/Sky Atlantic)
ジャック・ディラン・グレイザー君の虜です。

2021年エミー賞受賞結果

珍しく多くの予想が当たった今年のエミー賞。サプライズは少なかったが、コロナ禍でアットホームな雰囲気の授賞式が良かった。やっぱりエミーはオスカーよりも敷居が低く観ていて楽しい。以下受賞結果について。

 

●ドラマ部門

・作品賞

f:id:delorean88:20210920123744j:image

予想 ザ・クラウン

受賞 ザ・クラウン

これはもう納得の受賞なので。

 

・主演女優賞

f:id:delorean88:20210920123922j:image

予想 エマ・コリン

受賞 オリヴィア・コールマン

ここはダイアナ妃のエマ・コリンかと思ったが…女王は強かった。

 

・主演男優賞

f:id:delorean88:20210920124028j:image

予想 ジョシュ・オコナー

受賞 ジョシュ・オコナー

こちらは的中。あそこまで視聴者をイラつかせたチャールズ皇太子が受賞。他のキャストやメンバーがイギリスから中継参加にも関わらず、オコナーだけアメリカに来ていたところを見ると受賞は自分でも予想していたのだろう。とは言え劇中のチャールズ同様に猫背ではにかみながら用意してきたメモを読み上げる姿は可愛いらしかった。

 

助演女優賞

f:id:delorean88:20210920124131j:image

予想 ジリアン・アンダーソン

受賞 ジリアン・アンダーソン

こちらも的中。あの癖のある話し方、最終話の感情露わにした鉄の女の演技はほんと素晴らしかった。

 

助演男優賞

f:id:delorean88:20210920124251j:image

予想 マイケル・K・ウィリアムズ

受賞 トバイアス・メンジー

まさかここも「ザ・クラウン」とは…今までのシーズンと比べてもフィリップがフィーチャーされる回は無かったのでこの受賞は少し疑問が残る。

 

●コメディ部門

・作品賞

f:id:delorean88:20210920124655j:image

予想 テッド・ラッソ

受賞 テッド・ラッソ

ここも下馬評通り、予想通り。とは言え監督賞、脚本賞が「Hacks」が受賞してしまったので少しハラハラしたが。来年以降も良きライバルとなりそう。

 

・主演女優賞

f:id:delorean88:20210920124907j:image

予想 ジーン・スマート

受賞 ジーン・スマート

こちらも予想通り。主演としては初受賞、壇上でも貫禄あるスピーチでした。

 

・主演男優賞

f:id:delorean88:20210920125026j:image

予想 ジェイソン・サダイキス

受賞 ジェイソン・サダイキス

ここも予想通り。エミー賞のノミネートも初。SNL時代の恩人ローン・マイケルズに感謝を述べていたのが印象的だった。話は逸れるが、今年は特にSNLの現役キャスト、サダイキスのようなOBメンバーの活躍が目立った。こうしてレベルの高いコメディアンを発掘し続ける番組として今だに一定の評価を保ち続けているローン・マイケルズは本当に凄い人物だ。

 

助演女優賞

f:id:delorean88:20210920125512j:image

予想 ハンナ・ワディンガム

受賞 ハンナ・ワディンガム

ここも的中。初ノミニーの初受賞。ドラマのキャラとは打って変わって受賞にはしゃぐ姿が微笑ましかった。

 

助演男優賞

f:id:delorean88:20210920125720j:image

予想 ボーウェン・ヤン

受賞 ブリット・ゴールドスタイン

ここで予想を外した。ただ納得の受賞ではある。ボーウェン・ヤンはいつかきっとケイト・マッキノンのように跳ねることは間違いないので受賞もそう遠くないだろう。(プレゼンターとしてもしっかり笑いを取っていた)

 

●リミテッドシリーズ部門

・作品賞

f:id:delorean88:20210920130137j:image

予想 メア・オブ・イーストタウン

受賞 クイーンズ・ギャンビット

「クイーンズ・ギャンビット」は配信から時間が経ってしまっているため受賞は「メア・オブ・イーストタウン」に賭けたが…やはり強かったか。監督賞が「クイーンズ〜」、脚本賞が「I May Destroy You」だったためドラマシリーズ部門より混戦だった。

 

・主演女優賞

f:id:delorean88:20210920130345j:image

予想 ケイト・ウィンスレット

受賞 ケイト・ウィンスレット

ここはベテランの納得受賞。オスカーを受賞していてもやっぱりテレビの賞でも獲れて大喜びしているウィンスレットを観て嬉しかった。

 

・主演男優賞

f:id:delorean88:20210920130659j:image

予想 リン=マニュエル・ミラン

受賞 ユアン・マクレガー

ここは当てずっぽうだったので。

 

助演女優賞

f:id:delorean88:20210920130858j:image

予想 ジュリアンヌ・ニコルソン

受賞 ジュリアンヌ・ニコルソン

ずばり的中!ニコルソンはほぼ賞レース経験の無い女優だったのでこういう人が実力を認められて受賞するのは本当に嬉しい。

 

助演男優賞

f:id:delorean88:20210920131026j:image

予想 エヴァン・ピーターズ

受賞 エヴァン・ピーターズ

こちらも的中。スピーチで喜びが爆発して「ケイト・ウィンスレット!」と叫んだ瞬間は怒っているのかと思った。律儀にライアン・マーフィーにお礼を述べていたのも好印象。たしかに彼のおかげでここまで来れたのは間違いない。