悪魔の吐きだめ

映画とかドラマとかの感想書いてます

リブート版『ゴーストバスターズ』を観た!

「ポール・フェイグがクリステン・ウィグメリッサ・マッカーシーらを起用してゴーストバスターズの新作を撮る」というニュースが報じられてからひたすら楽しみに待っていたリブート版『ゴーストバスターズ』。その感想を極力ネタバレ無しで書きます。

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前回も書いたが、今回の『ゴーストバスターズ』はキャストを女性に一新したことで、既に公開前から大きな批判があった。

更には出演者の一人、レスリー・ジョーンズがTwitterで集中攻撃される事態にまで発展。Twitter本社がアンチを煽った犯人をTwitterから永久追放するなどの対応も話題となった。そんな意味でも注目されてしまった今回のゴーストバスターズだったが、それらのスキャンダルをも吹き飛ばすほど映画自体は最っ高にパワフルで面白かった。

演じる今回の新バスターズの4人のやり取りはは、まるでコントを見ているかのようで、クリステン・ウィグメリッサ・マッカーシーは勿論のこと、2人に比べると知名度は低いレスリー・ジョーンズ、ケイト・マッキノンの2人も抜群の個性を発揮しており、劇場は大爆笑だった。

 

また、今作は、ゴーストバスターズが如何にして「ゴーストバスターズ」となっていったかの過程が描かれるのも特徴的だった。あの有名な「ノーゴーストマーク」はどのようにロゴとして採用されたか、プロトンパックはどのように生まれたのか等、オリジナルではさり気なく登場していたプロップがどのような経緯で生まれたのかファンは気になるところ。そこにしっかりと説明を加えるあたりが、ポール・フェイグの真面目さとオリジナルへの愛がうかがえる。

その他にもオリジナルで人気だったゴーストも再登場するのだが、単に登場させるだけでなく、その使い方も工夫がされていて感心した。それはオリジナルのキャストのカメオ出演にも言える。特に、ビル・マーレイの使い方は皮肉が効いていて爆笑だった。

だが、なんと言っても今作で一番観客の笑いをかっさらっていったのが、クリス・ヘムズワース演じる秘書のケヴィン。オリジナルではキレ者の秘書をアニー・ポッツが演じていたが、今回クリヘムが演じる秘書のケヴィンは、完全にバカ丸出しで、これまでの映画でありがちだった「美人しか取り柄がない女性秘書」というところの逆にいき、イケメンだけど無能な「観賞用」の秘書をイキイキと演じていた。彼はサタデー・ナイト・ライブにホストとして出演した時から、抜群のコメディセンスを発揮してたが、今回の演技で完全にコメディアンの才能を証明してみせた。

 

そんな今回の『ゴーストバスターズ』、これまでの敵は、破壊の神様や中世の騎士などオカルト的要素が強かったが、今回の敵は普通のおっさん。好みが分かれるところかもしれないけど、実はこのおっさんも、主人公のエリンやアビーのように周りから虐げられてきた弱者の一人。ただ道を踏み外してしまっただけに過ぎない。その同じ境遇の相手を敵にするところがポール・フェイグらしいと思う。

それはラストにも言えることで、ニューヨーク市民の歓声に包まれて終わる1作目、2作目とは違い、人知れず街を救ったバスターズが迎えるラストには、「誰しもヒーローとなり得る」「誰かはきっと応援してくれている」というポール・フェイグの弱者に対しての温かい眼差しを感じる。思えば、彼はTVシリーズ「フリークス学園」から近年の「SPY」に至るまで、常に虐げられてきた弱者を中心とした物語を描いてきた。
「ビッチどもにゴーストなんか退治できない」なんて、奇しくも現実で騒がれているような台詞が劇中でも出てくるが、そんなことも物ともせず、ひたすら自分たちの信念で突き進み、互いに助け合いながら敵に立ち向かうからこそ、彼女たちは本当にカッコ良いのだ。

 

そして、何より今回嬉しかったのは、映画館が笑いに包まれていたこと。日本では、アメリカンコメディが冷遇されがちで、なかなか映画館で上映されなかった。今作は「ゴーストバスターズ」というタイトルで全国公開されたが、蓋を開ければ完全に中身はコメディ映画であり、それが日本でもちゃんとウケていることが何より嬉しかった。だから、みんなで笑えて、みんなで楽しめる今回のリブート版『ゴーストバスターズ』は、なるべく満員の映画館で、そしてゲラゲラ笑いながらみんなで観てこそ、一番楽しめると思う。そして、これがきっかけでもっと沢山のコメディが映画館で上映されるようになってほしいと思う。

 

リブート版『ゴーストバスターズ』の批判について思うこと

今年公開を控えた「ゴーストバスターズ」の新作の予告が、YouTube史上最も低評価を受けた映画予告編となったらしい。
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そのコメントの多くが「なんで女性なんだ」とか「誰だよこのおばさん達」みたいな批判だ。そう、今回のリブート版バスターズは全員女性なのだ。しかし、今回の企画はむしろかなり正統派なリブート企画だと思っており、ゆえに「女性だから」という理由でここまで批判するのは大きな間違いだ。

まず、主要キャストがサタデー・ナイト・ライブのメンバーで構成されているということ。
オリジナル版のメンバーだった、ビル・マーレイダン・エイクロイドは、アメリカの老舗コント番組「サタデー・ナイト・ライブ(以下、SNL)」の当時レギュラーだったコメディアン。元々予定ではダン・エイクロイドは同じくSNLのメンバーだったジョン・ベルーシと組んで企画していたのが今作。ウィンストン役も本当はアーニー・ハドソンではなく、同じく当時SNLメンバーのエディ・マーフィーが務める予定だった。(マーフィーはビバリーヒルズコップ出演のため降板)

そして以下が今回の新メンバー。オリジナル同様にSNL出身、もしくは現レギュラー等で構成されている。

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SNLレギュラーメンバーSNL開始当初からのプロデューサー ローン・マイケルズから「SNL史上3本指に入るコメディアン」と言わしめたほど、多芸の持ち主。番組卒業後も自ら脚本を務めた「ブライズメイズ」に主演し大ヒット。他にも「オデッセイ」など大作にも出演。

ケイト・マッキノン
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現在も活躍するSNLレギュラー。クリステン・ウィグ卒業後、いま番組を引っ張っているのは彼女。エミー賞にもノミネートされるなど実力も申し分ない。十八番は、ヒラリー・クリントンのモノマネ。

レスリー・ジョーンズ
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マッキノン同様に、現SNLメンバー。出演前はずっとSNLの脚本家として番組に携わっていた。その大柄な体格はさながら米版和田アキ子。その体格を生かして今作の予告でもビンタ除霊していた。

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彼女のみSNL出身ではないものの、ホスト(司会)として番組には度々出演し、ウィグとは「ブライズメイズ」で共演済み。洗面台でウ○コしてオスカーにもノミネートされた。

以上のオリジナルを汲んだSNLメンバー、かつ今が旬の4人が共演してるというだけで、面白さは保証されたも同然。
そして、今回監督を務めるのは「ブライズメイズ」でウィグやマッカーシーともタッグを組んでいたポール・フェイグ。「ブライズメイズ」はそもそも、今やコメディ界の重鎮となったジャド・アパトーが得意としていた「ブロマンスコメディ」(ブラザーとロマンスを掛け合わせた造語)を女性にも焦点を当てて「女ブロマンス」を作ろうと企画したところから始まった。これまで女性向けコメディはいわゆる「ラブコメ」モノばかりだったが、三十路女の抱える問題をリアルに下品に描いたことから、女性だけでなく男性にもウケて作品は大ヒットした。その後も女性バディムービー「デンジャラス・バディ」を手掛け、こちらもヒットを飛ばすなどそのコメディの手腕は証明されている。

ちなみに、今回のリブートが発表された際に、配給のソニーが「同タイミングで男性版のゴーストバスターズも製作する」なんて発表が流れたけど、あまりに馬鹿馬鹿してく鼻で笑ってしまった。この企画こそあまりに無意味、かつステレオタイプ的。(しかも主演にチャニング・テイタムを起用するなんて話だから聞いて呆れる)

今回のようなファンが多い作品だからこそ、少なからずの批判は仕方ないにしても、女性だからという理由だけで批判するのは大きな間違い。今や「マッドマックス」や「スター・ウォーズ」の続編も主役は女性。コメディも同様に、男性優位の時代は終わったのだ。
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(補足)
ちなみに、オリジナル版でアニー・ポッツが演じていた秘書役を、今回は逆にクリス・ヘムズワースが演じるのもツボ。この男女逆転バスターズをポール・フェイグがどうコメディに活かしていくのか今から本当に楽しみである。

ぶっ飛んだファミリードラマ『Weeds〜ママの秘密』が最高に面白いワケ

遂にNetflixに「Weeds〜ママの秘密」が来た。21世紀最高傑作のテレビドラマは「ブレイキング・バッド」だと思ってるが、個人的な好き度で言えば圧倒的にコッチ、「Weeds」だ。
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主人公は、夫を突然亡くした主婦ナンシー・ボトウィン。中流階級が集まる架空のカリフォルニア州の郊外、アグレスティックという街に住む彼女は、これまでの生活を維持しながら、2人の息子を育てるために、商売を始める。それがなんと大麻の売人だった、という物語。なんかどこかで聞いた話かと思うけど、そう、実は「ブレイキング・バッド(以下、BrBa)」と設定は一緒。でもこのドラマが「BrBa」と違うのは、その軽さである。実はこれでもファミリードラマなのだ。

「BrBa」が余命僅かな高校教師が家族に金を残すために必死で麻薬を売り捌いていたのに対し、「Weeds」でナンシーが売人となった理由は、中流階級の生活(プール付きの一軒家に住み、私立の学校に子供を通わせる)を維持するためである。そう、このドラマは中流階級層の批判が核となっている。
そのテーマが最も集約されているのがオープニングで、同じ家が立ち並ぶ郊外で同じ行動をする住人を描いた皮肉たっぷりのものとなっている。ここで流れるテーマ曲も、フォークシンガーのMalvina Reynoldsが1963年に発表した「Little Boxes」という曲で、これまた歌詞が「大学に行って、働いて、結婚して、家族作って、みんな同じ形の家に住むのよ〜」というコピペされたようなハイクラスな家庭の人生を皮肉った、今聴いても衰えない超ヒップな歌になっている。

(ちなみにシーズン2以降はなんと毎回この曲を歌うゲスト歌手が異なる。中にはエルヴィス・コステロからランディ・ニューマンリンキンパークまで!)

そんな階級社会に住むナンシーも、小学校のPTAや、息子の空手教室の先生に大麻を売り、徐々に街のナワバリを広げていくに従って、ギャングやDEA(麻薬取締局)から目を付けられるようになる。しかしナンシーは、そんなのお構いなしで持ち前の明るさと色気で困難を乗り越えていく。「Weeds」の魅力は、そんなナンシーを含めたキャラクターの面白さにある。
まず何より主人公のナンシーを演じるメアリー=ルイーズ・パーカーの美貌とコメディエンヌぶりが抜群に素晴らしい。ギャングとの抗争に巻き込まれながらも、心配事はPTAやら小学校に自販機を置くか否かだったりするギャップも面白い。その他にも、毎回ハッパばっかり吸ってトラブル起こし、ナンシーに迷惑ばかり掛ける(けど憎めない)会計士のダグ(ケヴィン・ニーロン)と義弟のアンディ(ジャスティン・カーク)のコンビや、ナンシーのママ友で善人を装いながら超性悪ビッチなシリア(エリザベス・パーキンズ)など全員がブッ飛んだキャラクターで、ドラマを盛り上げている。

「Weeds」は、各シーズン毎にテーマが異なり、後半メキシコを舞台にダークな展開や(シーズン5)、ロードムービー調になったりするなどして(シーズン6)、シーズン8まで続いたが、やはり「中流階級家庭」に舞台を絞った初期3シーズンこそドラマ史に残る傑作だと思っている。シーズン3の最終話で、生活のために始めたその「選択」が、いつしか最悪の「結果」となってしまったナンシーの下した社会への「落とし前」、そしてエピソードタイトルが「Go」とあるように、それぞれの登場人物が口々に「Go」と呟いて前に進む姿はまさに最終話にふさわしい大傑作エピソードなので、ぜひ観てほしい。

ちなみに、タイトルのweedとは、大麻を意味するスラング。「ブレイキング・バッド」で扱っていた覚醒剤メタンフェタミン)は依存性も、常習者の犯罪率も高かった。それ故にドラマ自体も重くヒリヒリしていた。対して、大麻は今ではアメリカでも多くの州で合法化され、嗜好品となりつつある。加えて、愛用者はジャンキーというより、だらしないヒッピーな印象が強い。だからドラマも同様に、程よく笑えて、程よく考えさせられる、メロウでDopeなブツとなっているのだ。

2015年 海外ドラマ大賞

今年面白かった海外ドラマを部門別でまとめました。

【作品賞】
・コメディ部門
『トランスペアレント』シーズン1
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今の時代を描きながらもクラシックな家族ドラマだった。詳しくは以前の記事で。

次点
『マスター・オブ・ゼロ』シーズン1
アンブレイカブル・キミー・シュミット』シーズン1
 
・ドラマ部門
『ファーゴ』シーズン1
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コーエン兄弟の代表作「ファーゴ」から影響を受けた「ブレイキング・バッド」、から更に影響を受けて作られた逆輸入的立場ながらミスリーディングと救われない展開に久々にグッときた。

次点
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』シーズン2
『ダウントンアビー』シーズン2
『ベター・コール・ソウル』シーズン1

【ベストエピソード】
「Hot Ticket」『マスター・オブ・ゼロ』1-3
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ただのコメディに終わらず、悲劇も描くドラマだと証明したエピ。エンディングで流れるタイトルと同名の曲、ビーチハウスの「Master of None」も良い。あと内容と同じ経験が自分にもあったので。

次点
『ファーゴ』1-4「Eating Blame」
『ベター・コール・ソウル』1-6「Five-O」
『トランスペアレント』1-1「Pilot」
『ダウントンアビー』2-9「Christmas at Downton Abbey」

アジズ・アンサリ『マスター・オブ・ゼロ』
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脚本もこなせる点で、ルイスCK、リッキー・ジャーヴェイスとも並んだ。

次点
ビリー・ボブ・ソートン『ファーゴ』
クレイグ・ロバーツ『レッド・オークス

【主演女優賞】
アリソン・トールマン『ファーゴ』
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困り顔のぽっちゃり女子が後半になるにつれて徐々にフランシス・マクドーマンドになっていった。

次点
エリー・ケンパー『アンブレイカブル・キミー・シュミット』
テイラー・シリング『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』

【助演男優賞】
デヴィッド・クロス『ブル〜ス一家は大暴走!』
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性犯罪者役が最高に似合ってた。

次点
ジョナサン・バンクス『ベター・コール・ソウル』
オリバー・クーパー『レッド・オークス

【助演女優賞】
ギャビー・ホフマン『トランスペアレント
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くたびれた演技が最高だった。

次点
ノエル・ウェルズ『マスター・オブ・ゼロ』
エリザベス・バンクス『ウェット・ホット・アメリカン・サマー キャンプ1日目』

【ベストカップル賞】
アジズ・アンサリとノエル・ウェルズ『マスター・オブ・ゼロ』
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文句なし。ずっと見ていたい最高のカップル。

以上。
今年はNetflix、Amazonプライムビデオのおかげで海外ドラマ大豊作でした。もう全然視聴追いつかなかったです。でもこんな年を待ってました。
来年も頑張って観るぞ!


2015年 映画ベスト10

2015年の映画ベスト10をまとめました。

1位「わたしに会うまでの1600キロ」
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時間軸をバラバラに切り刻んで展開することで、主人公のトラウマを観客も追体験する事になるヘビーロードムービー。監督の前作「ダラス・バイヤーズ・クラブ」より演出が冴えまくってた。主役のリース・ウィザースプーンの演技も良かったけど、フラッシュバックで現れるローラ・ダーンで涙腺がボロボロに。象徴的に使われるサイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んでいく」も良かった。

2位「セッション」
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ひたすらドライに「天才」について描いたドライ映画。音楽映画でも、スポ根映画でもない。観客を置いてけぼりにする程のドライさは映画としてどうかと思う一方、やっぱりラストの演奏シーンの凄まじさは一見の価値あり。詳しくは以前の記事に書いてます。


3位「午後3時の女たち」
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Amazonオリジナルドラマ「トランスペアレント」のクリエイターでもある、ジル・ソロウェイの監督作。「トランス〜」も今作も「セックス」をテーマにしながら、下品ではなく(むしろ綺麗に)日常を切り取る手腕が本当に素晴らしい。主演のキャスリン・ハーンは今作の他にも「ヴィジット」や「マイ・ファニー・レディ」と当たり年だったなぁ。

4位「スター・ウォーズ フォースの覚醒」
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映画史上最も期待される(故に批判に晒される)続編で、決してファンに媚びる事なく、新しい"スターウォーズ"に昇華させた意欲作。新しいSFサーガの幕開けを観れて最高に嬉しかった。

5位「スペクター」
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大絶賛された「スカイフォール」のスタイリッシュボンドから一転して、(僕が)見たかったユーモアアクションボンドを復活させてくれた「ザ・007」映画。前作からの繋がりがシリーズ史上一番濃厚でありながら、今作から観ても十分楽しめるエンタメ作品として作られてるところは「フォースの覚醒」的でもある。

6位「ザ・ワン・アイ・ラブ」
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インディ界で活躍するデュプラス兄弟の兄、マーク・デュプラスとエリザベス・モスの出演者2人のみで繰り広げられるワンシチュエーションミステリー・コメディ・ホラー。ジャンルをコロコロ変えながら展開する脚本が秀逸。

7位「ジュラシック・ワールド」
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一作目で実現しなかったテーマパークを描いたテーマパーク映画で本当の惨劇が実現。世界観を押し広げることでファンを喜ばせるという、「フォースの覚醒」とは真逆のアプローチを見せつけたコリン・トレボロウが、スターウォーズ新3部作のラストに抜擢されたのは納得かも。ユニバーサルスタジオをネタにしたメタ構造も面白かった。

8位「インヒアレント・ヴァイス」
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コンスタントに面白い映画を撮ってくれる"できる方"アンダーソンの超メロウなミステリー。話が複雑化するにつれて付いていけなくなるんだけど、それすらも楽しいというDOPEな映画。

9位「アントマン
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どんどん暗くなるスターク社長率いるマーベルの面々の中、ポール・ラッド、アダム・マッケイ(&エドガー・ライト)をキャスティングしたのはナイス。終盤のSF展開で単なるコメディに終わらせないチャレンジングな姿勢も好きだし、何より「ミクロキッズ」のオマージュに溢れてるのが最高。

10位「ヴィジット」
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恐怖の後に笑いが来る紙一重感に溢れまくったシャマランの完全復活記念怪作。下品なラップを熱唱するエド・オクセンボールド君の今後に期待。ケイティーペリー!

以上です。
今年は続編大作ラッシュだったけど、どれも面白かったです。
ちなみに今年一番腹立った映画は「ムカデ人間3」です。でもTシャツは買いました。


2015年 プレイリストベスト10

新旧問わず今年個人的にヘビロテしてた10曲について書きました。順不同です。

Operator / Jim Croce
Amazonオリジナルドラマ「トランスペアレント」の第1話のエンディングで流れた曲。流れるタイミングや、使われ方も完璧だった。劇中の架空デュオ「Glitterish」が歌うバージョンも良かった。

No No No / Beirut
以前から好きだったBeirutの4年振りの新作。らしさも残しつつ幅を見せたアルバムだった。このタイトル曲が一番好き。

Alone Too Long / Hall & Oates
スティーヴン・マーチャント主演のHBOドラマ「Hello, Ladies」のOPテーマ。ドラマ自体は未見だけど、この哀愁たっぷりの曲とマーチャントの情けない顔のOPが好き。日本でもいつか放送(配信)してくれるんだろうか。

Sexual Healing / Hot 8 Brass Band
ジョン・ファブロー監督兼主演の原点回帰作「シェフ」から。"チョロ"ことジョン・レグイザモがノリノリで作るキューバサンドイッチが美味しくないわけがない。曲のかかるタイミングも最高。個人的には「あの頃ペニーレインと」のTiny Dancerレベルに好きな車中シンガロング。

Temptation / New Order
もはや今年限らず定期的に聴きたくなる時期がくる。テンション上げたい時はテンポが早いライブバージョン。

I'm Not Rich / God Help the Girl
映画「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」から主役の3人が歌う曲。特に黒一点のオリー・アレクサンダー君は「イヤーズ・アンド・イヤーズ」のボーカルだけあって、バックコーラスでビシッと締めてるあたりが痺れる。劇中の他の曲でも彼は歌ってるけどこの曲が一番才能を発揮してる(見せつけてる)感がある。

The Name Game / Jessica Lange
「アメリカン・ホラー・ストーリー アサイラム」でジェシカ・ラングビョーク化する名シーン。「glee」のクリエイターも務めるライアン・マーフィーだけあった見せ方もうまいし、ジェシカ・ラングがめちゃくちゃカッコいい。

Suffering You, Suffering Me / Slow Club
男女インディポップデュオのSlow Clubの新作。ファーストのアコースティックなポップとは全く違うかなりアダルトな雰囲気さと、女性ボーカルのレベッカの美声が最高。

Tusk / Freetwood Mac
「ジ・アメリカンズ」の第1話でこの曲に載せてスパイ夫婦の2人が任務をこなしていく。からの、タイトル。これだけでめちゃくちゃ引き込まれたアバン。

Alone on Christmas Day / Phoenix
ビル・マーレイ・クリスマス」でウェイターに化けたロックバンド、フェニックスが歌う、ビーチボーイズマイク・ラブの未発表曲のカバー。マーレイの合いの手もナイス。

以上。
今年はApple Musicと検索アプリ「Shazam」には、めちゃくちゃお世話になったなぁ。


僕と『バック・トゥ・ザ・フューチャー』について

「一番好きな映画は何か?」と尋ねられれば、僕は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」だと即答する。

でも胸を張って堂々と自分の好きな映画を挙げるのは、なかなか難しいことだと思う。例えば他にも僕はロブ・ゾンビの「デビルズ・リジェクツ」もオールタイムベストに挙げるのだが、周りの人(普段からそんなに映画を観ていない人)に言っても分かる人は少ない。でも胸を張って「バック・トゥ・ザ・フューチャーが好き」と言っても、相手は「どんな映画?」とはならない。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の面白さは、もはや共通認識である。

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僕がはじめて「バック・トゥ・ザ・フューチャー(以下、BTTF)」を観たのは幼稚園か小学校の頃だった。リアルタイムでは観ていなく、テレビの吹き替え版で観た。その時の吹き替えは、マーティ役織田裕二、ドク役三宅裕司という「Wユウジ」という謎の謳い文句のキャスティングだった。(当時なぜ2人がキャスティングされたのかはいまだに謎である)
いま思い返してみても2人の吹き替えはお世辞にも上手いとは言えず、ファンからも吹き替えの黒歴史と言われている。でも動物の刷り込みみたいなもので、"はじめて"のBTTFがWユウジだった僕にとっては、この2人こそが真のBTTFだといまだに思っている。(いまだにDVDに収録されないのが本当に残念だ)
 
今でもはじめて観た衝撃は忘れられない。カッコいいデロリアンと、マーティーのスケボー、クレイジーなドクと、ムカつくビフ、ジョニーBグッド、雷。この映画の全てが大好きになった。録画したビデオは擦り切れるまで毎日毎日観続けたし、家でも学校でもデロリアンの絵を紙に描いて、友達とはBTTFごっこをして遊んでいた。
それまで映画なんて観たことなかった僕は、「あの時」から映画が好きになった。今でも映画を観続ける理由は、やっぱりBTTFに出会った「あの時」の衝撃をもう一度感じたいからなんだと思う。それを絶対に越えることはないだろうけど。
 
今日、2015年10月21日は、パート2でドクとマーティの2人が向かった未来の日である。
パート2を観た当時は、2015年なんてずっと先の未来だと思っていた。2015年になれば、きっと車は空を飛んでいると思っていたし、変な形のペプシも売られると思っていた。でも現実はそんなことなかったし、自分も想像していたような大人にはなれなかったかもしれない。
でもあの時「BTTF」が僕に与えてくれたワクワクした気持ちは、今でも忘れてないし、この先も忘れたくないなぁって思う。だから僕はこの先も「バック・トゥ・ザ・フューチャーが大好きです」と言い続けたい。